犯罪・刑事事件の解決事例
#削除請求

MVNOを経由した投稿の発信者の開示に成功した事例

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荒生 祐樹 弁護士が解決
所属事務所さいたまシティ法律事務所
所在地埼玉県 さいたま市浦和区

この事例の依頼主

50代 男性

相談前の状況

「A」はNPO法人の代表者であるが,匿名のインターネット掲示板に「X法人のAは犯罪者だ」,「X法人のAが〇〇罪なのは間違いない」などと書き込まれ,「犯罪者のA」として名前が広く拡散されてしまっている状況であった。事実無根だったが,関係先にこの状況を知られており,事実無根であることを説明するため,削除は勿論のこと,投稿者の特定まで行いたい。

解決への流れ

掲示板管理者からIPアドレス,タイムスタンプを開示を受け,プロバイダが判明したものの,プロバイダはMVNO(「仮想移動体通信事業者」のこと。大手携帯電話会社から通信回線を借り受け,通信サービス料金の安い「格安SIM」を提供している事業者のことをいう。)であったため掲示板管理者から開示を受けたログでは経由プロバイダが明らかにならなかった。そこで開示された通信業者に更に開示を要請し,ようやく経由プロバイダが明らかとなったため,経由プロバイダに対し発信者情報の開示を求める訴訟を提起し,2回の期日後に判決,発信者情報(氏名,住所)が開示された(初回相談から判決まで約6か月)。

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荒生 祐樹 弁護士からのコメント

掲示板管理者→大手携帯電話会社→MVNOと,最終的に経由プロバイダにたどり着き,経由プロバイダに対する訴訟→判決を経て発信者の開示に至りました。MVNO(UQモバイル,ビッグローブなど)は世間では一般的で,発信者情報開示請求の場面で遭遇する機会は多くなる一方だと思います。特別な手続きはありませんが,MVNOにたどり着くまでのログ消失のリスクを考えると,今まで以上に迅速な対応(投稿からログ消失までの時間的な制約を見越して対応する必要性)が必要になると思います。