犯罪・刑事事件の解決事例
#人事・労務

ホテル業を営む会社で長年勤務態度に問題のあった従業員に対する対応を受任し,最終的に解雇した成功した(団体交渉及び数度の労働審判を含む)

Lawyer Image
我妻 耕平 弁護士が解決
所属事務所虎ノ門法律経済事務所川崎支店
所在地神奈川県 川崎市幸区

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

(事案の概要)勤務態度に問題のある従業員(赤の他人を職場に連れ込んで自分の変わりに働かせる,DVDを職場に持ち込んで勤務中に視聴する,他の従業員や顧客とのトラブルが絶えない)の対応をお願いしたいとの相談を受け,受任。

解決への流れ

受任後,会社側のパワハラにより適応障害に罹患したとして,当従業員が長期休業を開始。その後の対応(割増賃金の請求及びパワハラを理由とする慰謝料請求)を労働組合との間で行うことになる。しかしながら,数か月経過しても交渉がまとまらなかったため,従業員側から割増賃金を請求する旨の労働審判を申し立てられることになる。結局双方が譲歩した金額を会社側が支払う事で合意が成立。その後は,①既に当該従業員が2年近くに及び休業を続けていたこと,②当該審判の後も,休業期間中であるにも拘らず会社代表者に対する悪質な誹謗中傷を続けていたこと③過去数度に渡る懲戒処分に対しても全く反省が見えなかったことから,当職が就任した後に新たに作成した就業規則に基づき,休職期間満了に伴う退職に加え,普通解雇を通告。最終的には会社従業員の地位を消失させることで決着がついた。

Lawyer Image
我妻 耕平 弁護士からのコメント

勤務態度に問題のある従業員の処遇について,①割増賃金請求対応(日を跨ぐ場合の割増賃金の計算,試用期間中の割増賃金の計算,休憩時間の取扱について)②就業規則の新規策定③会社のパワハラにより適応障害に罹患したという従業員の主張への対応(労災)④休職期間後の自然退職規定の有効性⑤普通解雇の効力⑥傷病給付金申請への対応⑦労働組合との団体交渉(割増賃金,慰謝料)⑧懲戒処分(戒告,減給)の有効性等等,主な事項だけでもこれだけの検討,対応が必要になる事案でした。数年間にわたる対応の末,休職期間満了に伴う退職と普通解雇を組み合わせて主張して従業員の身分を消失させることができましたが,会社として,普段から内部の就業規則等を整備し,このような問題が生じないように備えておくこと重要性を痛感した事案でした。