犯罪・刑事事件の解決事例

休眠会社を利用した投資詐欺の事案について

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鈴木 祥平 弁護士が解決
所属事務所みずがき綜合法律事務所
所在地東京都 新宿区

この事例の依頼主

30代 女性

相談前の状況

依頼者のAさんは、30代後半の会社員の女性で20代のときからコツコツためてきた1200万円の預金を有していました。そんなある日、facebookで投資セミナーを開催されるいう情報に接して、投資セミナーに参加をしたところ、セミナーの担当者であるYさんが「1000万円以上の資金を預けてくれれば、FXの取引を通じて、年間10%の金利を付ける」という話をされました。Aさんとしては、年間10%の金利をもらえるのであれば、月に10万円の収入が増えると考えて、投資することにしました。いざ、投資契約をする段階になると、投資契約にすると色々法規制があって大変なので、お金の貸し借りであるという金銭消費貸借契約を締結して、年間10%の利息を付けると言う契約にさせて欲しいという事を言われました。あと、契約については、Yが経営しているX社と言う名義で締結すると言う話でした。「個人でのお金の貸し借りよりも法人の方が信用できますよね」と言う話をされて、まんまと会社の名義で契約を締結し、1200万円を送金してしまいました。最初の3カ月間は、月に10万円ずつ利息が振り込まれましたが、3カ月以降、利息が振り込まれなくなり、Yさんとも連絡が取れなくなりました。そこで、Aさんは、心配になって当職の事務所に相談にお越しになりました。

解決への流れ

当職としては、Aさんの話を聞いて、すぐに詐欺の可能性を疑いました。というのも、いわゆるポンジスキームというものではないかと思われたからです。ポンジスキームというのは、詐欺のなかでも特に、「出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に(配当金などとして)還元する」などと謳っておきながら、実際には資金運用を行わず、後から参加する出資者から新たに集めたお金を、以前からの出資者に“配当金”などと偽って渡すことで、あたかも資金運用によって利益が生まれ、その利益を出資者に配当しているかのように装うもののこと。投資詐欺のひとつのことを言います。いわゆる「自転車操業」の状態に陥り、最終的には破綻するという詐欺のことを言います。わざわざ、投資契約ではなくて金銭消費貸借契約にしたのも、お金を借りたのであって投資されたわけではない。借りたお金をどのようにしようが自由だとあとで言い訳するためのものではないかと思えたからです。最初の3カ月は、配当を行うことによって契約通りに利息を支払っている形に見せるのもポンジスキームの特徴であると言えます。実際に、契約を締結したX社の謄本を取り寄せて見てみると、X社の所在地は、いわゆるレンタルオフィスでした。当職としては、早急に投資したお金を回収するべきだと考えて、Yさんを被告にして民事訴訟を提起することにしました。X社を相手にしなかったのは、X社に判決をもらったとしても、いわゆる休眠会社(もぬけの殻の会社)であることから判決が紙切れになってしまうと考えたからです。Aさんは、Yさんとのやり取りについてメールやLINEなどの証拠を取っており、実質的にはX社との契約ではなく、「Y=X社」であると考えたため、実質的な契約の帰属は、Yさんに帰属する旨を主張して、貸金の返還を求めました。もちろん、訴訟の中では、Yさんは、今回の契約は、X社との契約であるからY個人には責任はないという戦法で争ってきましたが、訴訟の中でX社自体は休眠会社であり、実体がないことや、やり取りは全てYさん名義で行っていることや1200万円の入金は、Aさんの個人口座で行っていることを粘り強く主張した結果、最終的には、裁判上の和解ということで、出資した1200万円のうち1000万円を分割で返済をしてもらえるということになりました。

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鈴木 祥平 弁護士からのコメント

今回の事案については、契約書がAさんとX社との間で交わされていることから、Yさん個人に責任を追及することが難しい事案でしたが、Aさんが契約締結の過程に関する証拠をたくさんもっていたことが、一部でも回収することができた理由であると思います。休眠会社を使って自分の責任を逃れながら、詐欺をするという手法がはやっているので、皆さんは騙されないようにしてください。